残留モノマーって何?
残留モノマーについて、興味のある方がいらっしゃるようですので、わかりやすくまとめてみました。
残留モノマーとは、工場で製品を作るときに使う材料の一部が、完全に反応しきれずに残ってしまうことがあります。
この残った材料のことを「残留モノマー」と言います。
例えば、クレヨンを作るときに使う材料である「ろう」と「顔料」を混ぜて加熱すると、ろうと顔料が結合してクレヨンができます。
しかし、反応が完全に進行しないと、ろうの一部がクレヨンに残ってしまいます。
この残留モノマーが多いと、クレヨンが変色したり、手についたりすることがあります。
では、入れ歯ではどうでしょうか?
入れ歯は、歯が抜けたり、欠けたりした場合に使う人工の歯のことです。
入れ歯を作るためには、材料を混ぜて型をとり、加熱して固める必要があります。
この材料には、樹脂などの物質が含まれており、これが残留モノマーとなることがあります。
残留モノマーが多いと、入れ歯が変色したり、臭いがしたりすることがあります。
また、入れ歯を長期間使用すると、口の中の唾液や食べ物などが入り込んで、中に菌が繁殖してしまうことがあります。
このとき、残留モノマーがあると、菌が繁殖しやすくなるため、入れ歯を清潔に保つことが大切です。
入れ歯を使う人は、定期的に歯科医院でチェックや清掃を受けることがおすすめです。
これにより、入れ歯を長く綺麗に使うことができます。
そして、以前のブログでも院長がお伝えしている通り、
https://blog.tomos-dental.com/blog/?p=136
レジン床よりも2倍以上耐衝撃性があり、アレルギーの原因となる、残留モノマーがレジン床の約1/4以下の熱可塑性義歯(入れ歯)が保険適応になっています。
熱可塑性義歯は、アクリル樹脂を主成分とした材料で作られており、一般的な入れ歯と比べて、残留モノマーが少ないとされています。
熱可塑性義歯は、熱を加えることで柔らかくなり、口の中の形状に合わせて作られます。
この際、加熱することで反応が進行し、アクリル樹脂が高分子化合物に変化します。
この過程で、反応が完全に進行して残留モノマーが残らないように、工程や素材の品質管理がしっかりとされている場合が多いため、
残留モノマーが少ないとされています。
ただし、熱可塑性義歯にも、完全に残留モノマーがないとは言い切れない場合があります。
熱可塑性義歯を使用する場合も、入れ歯と同じように定期的な清掃やメンテナンスが必要であることには変わりありません。